ラビング法による手術時手洗いは人工股関節置換 術後 90 日以内の創部感染発生率に影響するか-ラビング法とスクラビング法の比较

摘要

近年，非抗菌石鹼により汚れを落とした後に消毒用ェ チルアルコールまたはィソプロピルアルコールなどをす り込むラビング法（ウォーターレス法）お,外科系分野 における手術時手洗いで広く使用されるようになった. 従来のスクラビング法と同等以上の手術関連感染症予防 効果や，より短時間で手指の消毒が可能であるなど，そ の有用性について多く報告されている.しかし，い まだ整形外科領域におけるラビング法に関する報告は少ない. 当センターでは開院以来，従来からの抗菌（滅菌）フィ ルターを使用した流水（滅菌水）によるスクラビング法 を採用してきたが，手術時手洗い水に清潔な水道水が使 用できるようになつたことを受け， 2013年7月から フィルター非使用の流水を用いた手洗い後に0.5%ク口 ルへキシジングルコン酸塩を使用するラビング法を導入 した.本研究の目的は，当センターにおけるスクラビン グ法とラビング法における人工股関節全置換術（THA) 後の早期創部感染症発生率（術後90日以内）とそれぞれ の手洗いにかかる経費の比較?検討を行うことである.