マルコフ過程を用いた安全かつ入力が容易なパスワード生成法に関する考察

摘要

個人認証技術は情報社会において必要不可欠な技術のうちの1つである．これまでに数多くの認証システムが開発されているが，パスワード認証はいまだ最もよく使われている個人認証技術である．しかし，利用者は英単語そのものや，数字のみからなる文字列，あるいは非常に短い文字列など，「弱い」パスワードを使用する傾向がある．そのため，パスワードを自動生成するツールが用いられることも多い．本報告では，入力の容易さに着目した新しいパスワード生成法を提案する．ランダムな文字系列を生成する従来のアルゴリズムと異なり，提案するアルゴリズムはマルコフ過程を用いることで，安全性を損なわずにパスワードの文字系列に記憶をもたせることができる．これにより入力が容易なパスワードを生成することが期待できる．