異なる電極開離速度におけるAgSnO_2接点対による直流負荷電流遮断時のアーク放電特性に関する実験的検討

摘要

負荷電源電圧DC14Vの直流負荷回路において、約1～10Aの負荷電流をAgSnO_2接点対にて0.5mm／s～200mm／sの範囲の接点開離速度で遮断する際の開離アーク継続時間を測定し、平均開離アーク継続時間を算出した。誘導性（L＝20mH）回路では、1A遮断時には接点開離速度による開離アーク継続時間への影響は見られないなど、開離速度の増加によるアーク短縮効果は、負荷電流値及び接点開離速度がそれぞれある範囲にある場合のみであった。その場合も、接点開離速度と平均開離アーク継続時間との間に反比例の関係は見られなかったが、金属相アーク継続時間については、一部の範囲で開離速度に対する反比例関係が認められた。一方、抵抗性回路でも、接点開離速度と開離アーク継続時間との間に明確な反比例の関係は見られなかったが、これには回路の配線などに起因する漂遊インダクタンス成分の影響があった可能性が考えられる。