4相Dynamic CT画像上の肝臓候補領域の自動抽出法

摘要

近年，読影医への負担軽減や診断精度の向上を目的としたコンピュータ支援診断（CAD：Computer Aided Diagnosis）システムの開発が盛hに行われている．本論文では，多時相CT画像を用いた病変部の解析を目的とするCADシステムを構築するための前処理として，腹部CT像上で肝臓が持つ解剖学的特徴を用いたセグメンテーション法を提案する．本法では，造影剤による染まり方の異なる各時相のCT像に対し，肝臓の一般的な形状特徴に着目した領域抽出法を考案し，実画像による領域抽出実験を行い，提案法の有効性を検証する．手法としては，2値化などの前処理を行った後，Rolling Ball Filterや距離画像を用い，図形分割を行うことにより，過抽出領域を除去し，肝臓領域の粗抽出を行う．さらに，領域抽出の制約条件として肋骨情報を用いることにより，肝臓が持つなめらかな形状変化を考慮した領域抽出を試みる．