OFDM無線アクセスにおける偏波アンテナを用いたMIMOダイバーシテ適応送信電力制御法

摘要

本稿では，OFDM無線アクセスにおける偏波アンテナを用いるMIMOダイバーシチ法において，交差偏波識別度(XPD: Cross Polarization Discrimination)に起因する所要送信E{sub}b/N{sub}0の増大を低減する偏波間の適応送信電力制御法を提案する．提案方法は，受信状態の良好な偏波の伝搬チャネルを積極的に用いるために，受信機における水平および垂直偏波ブランチで測定した水平．垂直偏波の瞬時の受信電力の和と全送信電力との比に応じて，水平，垂直偏波の送信電力をクローズドループにより適応的に制御する方法である．計算機シミュレーション結果より，提案送信電力制御法を用いることにより，送信電力制御を行わない場合と比較して，水平／垂直偏波2アンテナ送受信で平均XPD＝6dBの場合，平均ビット誤り率が10{sup}(-3)を満たす所要送信E{sub}b/N{sub}0を約0.9dB低減できることを示す．