太陽光を利用した熱音響システムの基礎検討－同軸管形状の熱音響システムへの光による熱入力

摘要

進行波位相は定在波位相に比べエネルギー変換効率が高い．ループ管形状の進行波型熱音響システムはエネルギー変換効率が30％と高い数値を実現しているが，システムが大型であるため，設置場所が限定される．熱音響システムの実用化には小型化が必要である．先行研究では，進行波位相かつ小型化が可能である同軸管形状の熱音響システムの駆動に成功している．同軸管は円筒管の内側に異なる内径の円筒管を設置することで構成される．円筒管の外管と内管の間にドーナツ状の蓄熱器を設置し，高温熱交換器を使用した熱入力を提案している．我々は，同軸管の内管に蓄熱器を設置し，同軸管形状の熱音響システムを駆動する新たな手法を提案する．太陽光を石英ガラスに透過させ，内管の萄熱器に直接光を入力する手法である．本報告では，直管形状の定在波熱音響システムの円筒管に光を入力し，システムが駆動することを確認した．同軸管内に光の入力が可能であることを示した．