海水中気泡群の終端速度に関する研究

摘要

臨海にある石油·化学プラントや発電プラントなどの大型プラントでは冷却器や凝縮器等の熱交換器に大量の冷却海水を使用している．プラントの冷却海水システムでは，その背圧を確保するために海水放水槽に堰を設けることが多く，この堰落し流れが堰下流水路の海水中へ貫人する際に空気を巻き込み，海水中に大量に気泡が生じることがある．こうした空気巻込気泡は海水中を浮上する際に，海水に含まれる有機物を吸着することにより安定化し，水面に到達した後も消えずに海域に流出することがある．この安定気泡は周辺海域への実害は少ないものの，海域の景観および漁業への影響を考慮し，プラントの設計段階からその対応が要求されることがある．