初代練習帆船日本丸の主機関

摘要

高層ビルが建ち並ぶ横浜みなとみらい21地区に残る旧横浜船渠株式会社第一号船渠（明治32年（1899 年）完成：重要文化財）に，初代練習帆船日本丸はその美しい姿を浮かべている．日本丸は昭和5年（1930年）に建造され，昭和59 年（1984年）まで54年間に渡って11，500名もの実習生を育ててきた．そして，昭和60年（1985年）4月より，現役当時のまま保存され，一般公開の他，船の生活を体験する海洋教室や総帆展帆などを行い，帆船の素晴らしさを今に伝えている．その主機関は，途中更新されることはなく本船の運航を支え続けてきた．本年で製造86年を迎えた初代日本丸の主機関について紹介したいと思う．