SOLAS2000局所消火の現状

摘要

2000年SOLAS Ⅱ-2章の全面改正により機関室の局所消火設備に関する規定が制定され,同時に各船級規則にも折り込まれた。 これは船舶火災の中で機関室火災の占める割合が多いことから,この規定が新たに制定されたものと考える。 造船所側はこれに対応すべく規定に合致するシステム作りから艤装要領に至るまで種々検討してきたところである。 しかしながら,SOLASの局所消火設備に関する詳細部分の規定がなく,また各船級協会におけるその規定に対する解釈が統一されていない部分もあり,局所消火設備のシステムおよび艤装要領を構築していく上で苦慮していると思われる。 従って,この消火設備に関する詳細部分については各造船所各々の解釈に基づき,局所消火設備メーカーおよび船級協会と協議しながら対応しているのが現状である。 そこで本機関第3研究委員会（以後,本委員会と称する）は,現状での各造船所のSOLAS規定に対する解釈とその後の展開を調査し,今後の造船所としての統一的な設計指針を模索するための第一段階として,本委員会加盟の各造船所の現状について調査することにした。ここにその調査内容について,機能及び艤装の両面に関して以下に述べる。