高温回転型蓄熱式熱交換器を応用した高速連続焼鈍加熱システム

摘要

鉄鋼用の連続焼鈍炉は，冷間圧延により結晶粒が乱れた鋼板を再結晶温度以上に加熱して焼き純し，結晶粒を整え機械的性質を向上させる設備で，自動車用鋼板などの高級鋼の生産に欠くことができないプロセスである。 図1に連続焼鈍炉の設備概要を示す。焼鈍を行う際は，鋼板表面の高温酸化および脱炭を防止するため，加熱帯と均熱帯は常に還元性雰囲気で満たされている。また，焼鈍炉の加熱能力を向上し，生産性を高める目的で予熱帯が設置され，対流式のレキュペレータを用いて，加熱帯と均熱帯のラジアントチューブバーナから排指された高温排ガス（650°C）を予熱帯循環空気と熱交換し，プレナムチャンバから鋼板に吹き付けることで，予熱を行っている。しかし，対流式レキュペレータはチューブを介した排ガスと循環空気の間接熱交換システムであるため，熱回収率は限定的なものであった。