Polyfile1月号～4月号連続企画：次世代自動車と高分子材料シリーズ連載：実例から考えるゴム·プラスチック材料の破損解析（最終回）第4回加硫不足によるNBR製ガスケットの破損

摘要

アクリロニトリルブタジエンゴム（NBR）は図1に示すアクリロニトリルとブタジエンからなる合成ゴムでニトリルゴムとも呼ばれ，代表的な耐油性ゴムである。NBRの諸特性はアクリロニトリル共重合比によって大きく依存し，その他，分子量，分子量分布，重合温度，ポリ塩化ビニルブレンド，第三成分の共重合などによっても特性が異なり，一言にNBRといっても多品種のNBRが市販されている。NBRの特長として耐油性，耐摩耗性，低ガス透過性が挙げられるが，自動車部品においては最大の特徴の耐油性をいかして各種ホースやOリング，ガスケット，オイルシールなどに用いられており，自動車部品として欠かすことのできないゴム材料である。