生薬·薬用植物の資源確保，生産流通および品質規格の動向医薬基盤研究所薬用植物資源硏究センタ一の取り組み

摘要

2010年10月，生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋で開催され，生物資源を巡る利益配分に関する議論が大きな話題を呼び，国内栽培化の推進ならびに生薬の安定供給の重要性が再認識された.一方，生薬類の品質，規格に関しては2006年に第15改正日本薬局方(以下，JP15)が施行され，生薬関連分野では6種の漢方処方エキスが新規収載される等，大きな改正が行われた.日本薬局方生薬等委員会では引き続き，新規収載品目の選定，各種試験法の検討，規格値の設定等について検討を行い，本年4月には第16改正日本薬局方(以下，JP 16)の施行が予定された.