芍薬甘草湯

摘要

芍薬甘草湯の薬能である鎮痛作用.横紋筋?平滑筋弛緩作用，抗炎症作用などから考えさまざまな病 態に応用されている。短期間，また頓服などとして用いられ，有痛性筋痙攣などに対する効果は即効 性がある。芍薬甘草湯は，有痛性筋痙攣，杭がh薬の副作用として出現する筋肉?関節痛，内視鏡検査，注腸検 査に対する有用性の他，急性腹痛，感染性下痴，尿管結石，顔面痙攣などに対するエビデンスが報告 されている。作用機序として，脊髄の下行性ノルアドレナリン神経系の活性化（中枢性鎮痛作用），神経筋シナプス 遮断作用（末稍性筋弛緩作用）などが報告されている。含まれる甘草による偽アルドステロン症の頻度は多くないものの注意が必要で，そのため浮腫の出現， 血圧上昇などに注意するとともに，連用する場合などは無症状でも電解質の測定を定期的に行うこと が望ましい。サイアサイド系利尿薬，ループ利尿薬，インスリンなどとの相互作用による低カリウム血症に注意が 必要である。