「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017」改訂のポイント

摘要

動脈硬化は多くの危険因子が発症に関与しており，予防のためにはそれらを包括的に管理することが 必要である。LDレコレステロール（LDL-C）は，空腹時採血での総コレステロール，トリグリセライド（TG）, HDL-コレステロール（HDL-C）よりFriedewald式にて算出する。LDL-C直接法は以前よりも正確 性が上がつてきており，Friedewald式の代わりに用いることも可能である。食後採血の場合やTGが 400 mg/dL以上のときにはnon-HDL-Cを用いる。リスク評価は吹田研究をもとに計算し，10年間の冠動脈疾患発症率9%以上を高リスクと判定する。二次予防のLDL-C管理目標は100mg/dL未満とするが，二次予防のなかでも家族性高コレステロー ル血症，急性冠症候群，およびハイリスク病態を合併した糖尿病では，再発リスクがさらに高まると 考え.LDL-C 70mg/dL未満とする。高コレステロール血症治療の第一選択薬はスタチンである。