適応外使用の現状と課題

摘要

わが国の保険診療での医薬品の取り扱いは，薬事法上で承認された効能効果および用法用璗を大原則としている。一 方，日常診療において，医師のほとhどが承認事項の範囲を超える「適応外使用」を経験している。海外で標準的に使 われている薬が国内では使えないという「ドラッグ?ラグ」を解消するための有識者会議は，学会や患者団体が要望し た多くの未承認薬?適応外薬に対して薬事法上の承認取得を前提とする検討作業を進めており，従来の対応に比べて大 きく前進した。しかし，必要な適応外薬の保険適用のすべてに薬事承認を前提とするやり方は，多大な労力と時間を伴 い，ドラッグ?ラグは解消しない。薬事承認とは切り離して，医療保険で柔軟に対応する制度的な整備を期待したい。