なぜ「正しい」設計の環境配慮がうまくいかないのか？

摘要

法的な手続きや技術指針に基づいた「正しい」設計の環境配 慮が，必ずしも成果を挙げられるとは限らない。霞ケ浦の自然 再生事業の事例研究から，「正しい」設計にはそれを機能させる 前提条件があるにもかかわらず，機械的に現場に適用すること が「ズレ」を発生させ.「うまくいかなレゝ」状況をつくりだして しまうことが明らかになった。そのため，現場の状況に対応し て専門家，行政，市民などのステイクホルダー間で，「正しさ」を順応的に模索すること力《必要である。このことから，PDCA サイクルの前提の再考や構造物などの「工夫の余地丄事業プロ セスの柔軟性，それらを可能にする制度的裏付け，思想面の深 化などの具体的な解決指針が見レゝだされる。