プロセッサとソフトウェアから俯瞰するリストバンド型ウェアラブル端末の設計の変遷

摘要

現在，研究のために作られたものを除くと，ウェアラブル端末は（「端末」の定義にも依るが，ある程度の汎用コンピューティング能力を持つデバイスと考えると）メガネ型とリストバンド型の2種類にほぼ限られ，「ウェアラブル」という言葉の風呂敷ほどには大きく広がってはいないように思う．さらにメガネ型は，有名なGoogle glass（現在開発は停止中）を代表としてごく数機種しか知られておらず，結局のところ「ウェアラブル端末≒リストバンド型端末」と考えても大きな誤解とは言えないのが現状である．このような背景のもと，本稿ではリストバンド型（ウォッチ型）の端末について，その設計の変遷を，主にプロセッサとソフトウェアに着目して概説する．