シンキングCAE－有限要素法におけるモデル化技術

摘要

モデル化技術とは，対象とする構造物の挙動を精度よく，しかも計算負荷が少なくなるようにコンピュータ内に対象構造の挙動を忠実に模擬する技術である．開発設計の上流段階で構造が果すべき機能を最大限に発揮できるように，その基本形態を創生するのに用いられる手法がシンキングCAEである．モデル化にあたってシンキングCAEが有効である．これは「まず，対象構造物が所要の機能を果せるように概略の形態を考案する．ついで，構造にこういう荷重が作用し，こういうように支持すれば，構造内に力がこのように流れるから，この種類の構造要素を使用しよう，ここは大きな力が流れるから部材を太くしよう，ここに補強材を入れよう，この部材は不要である，贅肉が大きい…」といった－連の構造の形態設計がなされるのが一般的である．