新世代の材料、アドバンスドコンポジットマテリアル炭素繊維複合材料（CFRP）

摘要

炭素繊維複合材料（以下CFRP［Carbon Fiber Reinforced Plastics］と略す）が世の中に認知されるようになったのは'70年代後半の“ブラックシャフト”と呼ばれるゴルフシャフト、釣り竿、テニスラケットといったスポーツ用途である。また'82年には民間航空機構造部材へも実機採用され、昨今では圧力容器、風車と言った一般産業用途への需要が急拡大している（［Fig.1］）。なぜCFRPがこれらの用途に使われるのか？それは金属よりも強くて軽い部材が製造できると言うことに尽き、さらに航空機部品等においては燃費向上によりCO_2排出量低減に大きく貢献している。また部材の一体化成形により部品点数が低減でき、製造コスト削減にも寄与している。本編ではCFRPについてその用途と環境への貢献を中心に紹介する。