ATS/ATCの技術動向：多情報パターン制御式ATS「C-ATS」の概要

摘要

これまで40年以上に亘り京浜急行線，都営浅草線，京成線，及び北総線では商用軌道の信号電流の遮断時間の長短による方法で情報を車上装置へ伝える1号型ATSを採用している．この方式は3現示であり現在の高密度線区において情報量が不足しているばかりか絶対停止機能を備えていない．C-ATSは地上から車上へ信号を伝える伝送方式に新幹線等で採用しているディジタル符号伝送により多情報を可能とした．きめ細かい速度段の設定，勾配や車両性能の違いに適合した停止パターン制御の実現，1号型ATSとC-ATSの自動切替，相互直通乗入れ事業社の諸事情に対応する等，高性能，高機能化を図った連続式ATSである．本稿ではC-ATSの機能概要ばかりか，設備を簡略化できる仕組みや符号伝送式の課題である分岐部やシーサス部の車上への制御についても紹介する．