チョッパ制御電車の開発時の思い出

摘要

中央線の快速として活躍してきたオレンジ色の通勤電車201系（写真－1）が関東圏から姿を消してから既に7年が経過した．この電車は，主回路を無接点化できるチョッパ制御（正確には電機子チョッパ制御）という新しい技術を採用し，直流直巻電動機そのままで電力回生ブレーキが可能な，新しい制御方式の通勤電車であった．国鉄においては，チョッパ制御電車はこの201系（千代田線用の203系を含む）の一世代だけで終った．しかしチョッパ制御電車の開発に積極的だった営団地下鉄（現東京メトロ）では開発着手も早く，多くのシステム，多くの車種が誕生し，チョッパ制御システムも時とともに進化することになった．1983年には究極のチョッパ制御システムと言える「4象限チョッパ」が実現した．しかし，このシステムを採用した銀座線の01系電車も全て引退を迎えることになった．