生産システムにおける製造実行と機器制御との密な情報統合（第1報）：OpenMESとORiNとの情報統合によるプロトタイプシステムの開発

摘要

生産システムのアーキテクチャに関する全体概念を，IEC 62264-1 Enterprise-xonteol system intergration - Part 1: Models and terminologyでは規格化しており，レベル0を個別装置，レベル1をステーション，およびレベル2をセルとして扱っているが，ここではこれらをまとめて機器制御レベルと呼ぶことにする．また，同規格では，レベル3を生産管理等のいわゆる製造実行レベルとし，さらにレベル4を生産のみならず，販売やロジスティックス等を含む企業経営計画レベルとして分類している．このアーキテクチャを適用したアプリケーションを効率良く構築するためには，レベル内やレベル間での情報交換の仕組みに，標準仕様を用いることが好ましいが，特に機器制御レベルにおける標準仕様は，ロボット，工作機械．PC(Programmable Controller)等の業界毎に策定されがちである．そのため，ロボットや工作機械等の異機種が混在する工場における標準化仕様の適用は容易ではない．また，機器制御レベルと製造実行レベルが扱う情報の種類が異なるため，双方の情報を利用するアプリケーションを構築する場合，双方の標準仕様を実装する必嬰があり不合理である．そこで，機器制御レベルの標準仕樣のうち，ORiNに着目し，ORiNのSCADA用ミドルウェアであるRaoSQLを用いて．機器制御レベルの情報と，製造実行レベルの情報とを密に関連付けて管理可能な情報連携環境を構築した．さらに，本環境を用いたプロトタイプシステムを構築し，検証実驗を行なったので報告する．