水田作秋作業の新技術：飼料イネ用小型ロールベールサイレージ体系－小規模経営·小区画水田で利用

摘要

農林水産省は2015年度までに飼料自給率の35％達成を目標に，特に粗飼料については100％自給を目指している。 そのために毎年度設定している行動計画の中で，2006年度は稲発酵粗飼料（以下，飼料イネ）の作付け拡大，供給側と利用側を仲介·斡旋するコーディネーターの増加等が掲げられている。今までに排水不良田でも安定して飼料イネの収穫調製作業ができる専用機が開発，実用化され，飼料イネの専用品種，栽培技術の導入とあわせて生産現場で活用されている。このように飼料イネは水田機能を維持したまま飼料自給率の向上や米の生産調整が図れるため，今後も生産·利用の拡大が期待される。 一方，中山間地域では，農業の担い手の減少，高齢化の進行，耕作放棄地の増大等の危機に直面している。 これらの解決策の一つとして飼料イネの導入が考えられるが，専用収穫機の大きさ，価格等の制約，組織化の難しさのため，普及が進hでいなかった。 これらに対応するため，飼料イネ用の小型カッティングロールベーラが開発，実用化されたが，小型ロールベールの運搬に問題が残されていた。 本稿では，小型カッティングロールベーラを基軸とした小型ロールベールサイレージ体系を開発したので，以下に紹介する。