高分子レオロジーと成形加工CAEの基礎－その中身と周辺問題：(7) CAE用レオロジーの基礎－高分子溶融体のレオロジー

摘要

高分子溶融体のレオロジー（流動と変形）をやさしく解説する．どう考えれば理解しやすくCAEに応用できるかに十分留意して執筆したつもりである．通常のレオロジーの無味乾燥的解説とはかなり見かけが異なるが，CAE用レオロジー新入門（これまで勉強されたことがある方には再入門）と思って読hでいただければ幸いである。 高分子のレオロジーを理解することは，高分子の挙動を理解することである．このことを痛感することが，応用にあたって最も重要である．しかし理解にあたって，難しい分子論や複雑な数式はまったく不要と考えているので，安心して読み進hでいただきたい．なおここでは，独習がむつかしい粘弾性の考え方や取り扱いをやさしく説明するのが目的であるため，非ニュートン粘性モデルを使うための解説は省略した．非ニュートン粘性の基礎については標準的な教科書を，非ニュートン粘性モデルの詳細はBirdらの著名な教科書を参照いただきたい．