プラスチック成形加工の最近の研究動向：発泡成形

摘要

2004年度(2004.1～2004.12)の一年間に行われた発泡に関する研究動向について調査した．最近の製品に対する益々の軽薄短小の要求から，発泡体の成形技術が種々の素材に対して検討されている．発泡の対象素材としては，プラスチックをはじめ金属材料やセラミックス等の多肢におよhでいる．プラスチックの発泡に関しては，物理的発泡剤として環境に優しい二酸化炭素や窒素を超臨界状態で使用し，熱力学的不安定性を利用することで超微細な気泡を有する発泡体が得られる可能性が見出され，ここ数年来より研究·開発が活発に行われている．そして各学会において，発泡に関する特別セッションが企画され盛況となっている．2004年度においても，国内では成形加工'04，成形加工シンポジア'04において，それぞれ超臨界流体応用技術と発泡に関するセッションが企画され多くの研究発表並びに参加者を得た．国外においては，ANTECやPPS，Foamsでこの種の研究発表が数多く行われた．ここでは，2004年度の発泡成形に関する研究·開発動向について，これらの学会発表や各種学術雑誌に掲載されたプラスチックの発泡に関する論文を中心に，筆者の調査範囲内で月に触れたものを紹介する．