同方向回転二軸押出機によるフィラー混合時の押出量への影響

摘要

近年，高濃度無機フィラーを混合するコンパウンディング技術が要求されている．二軸押出機によるフィラー混合には，ポリマーとフィラーを一緒にフィードロに供給する同時フィード方式と，固体ポリマーだけをフィードロに供給し，いったh溶融させた後サイドフィーダーからフィラーを供給して混合するサイドフィード方式とがある．本研究では，同時フィード方式によるフィラー混合を行い，その挙動特性を調べた．この方式によるフィラー混合は，サイドフィーダー装置等が不安なため簡単に加工できるが，サイドフィード方式に比べて大きく押出量が低下し，その生産性が経済面から大きな問題になっている．また，本課題に対して解決の糸口とするための実験を行い，その成果をプラスチック成形加工学会の年次大会やSPE主催のANTECでも発表を行っている．それらの発表内容を基本にして，本稿では混合時のメカニズムを把握することに主眼を置いた．二軸押出機の押出量は，試験材料，スクリュデザイン，運転条件等で大きく変化し，その解析は複雑で非常に難しい．今までに押出量変化要因として，スクリュデザインを固定し，ポリマーの溶融粘度，フィラーの粒子径，フィラーの混合比率などを変えた試験を繰り返している．しかし，それらが押出量に及ぼす原因の解明までは未だされていない．今までに実行した試験データーを整理し，混合のメカニズムを調べて，押出量減少の原因を把握し，課題解決の糸口にすることを目標にした．