繊維強化ポリプロピレンにおける射出成形品の繊維長分布が機械的特性に及ぼす影響

摘要

近年，自動車業界では地球温暖化CO_2ガス対策や燃費向上から軽量化が急務である．特に欧州では，2021年のCO_2排出量95g／kmの目標に対し多くの自動車メーカーでは，Steel構造体から樹脂構造体へ代替えする軽量化技術開発への取り組みが加速している．適応される樹脂材料には，高剛性，高強度，耐衝撃性等の特性が要求され，ガラス繊維，炭素繊維等を使用した繊維強化複合材料が広く適用されている．それらの繊維強化複合材料の成形法として，オートクレーブ法，RTM法，プリプレグ法およびプレス法が主に使用されているが，生産性が低く製造原価も高いために，一部限定の適用状況である．そこで我々が注目しているのが生産性が高く，製造原価の安価な射出成形法である．特に射出成形法において長繊維ペレットを使った複合材料は，強度および衝撃性にも優れており，それらの特徴について数多くの報告がなされている．