押出成形の構成装置とその開発動向

摘要

二軸混練押出機（以下二軸押出機とする）は，単軸押出機と比較し，混練·脱揮性能に優れる．また機械的運転制限の範囲内で幅広い操業条件を選択することが可能なため，樹脂温度を調整することが可能である．粉砕したリサイクル材などもペレット化することなく高含有率で取り扱うことが可能なことから，近年シート·フィルム成形用途での採用事例が増えている．優れた脱揮能力により加水分解を起こしやすい材料も未乾燥状態で取り扱うことが可能なため，食品容器用途のA-PETシート成形などでは，20年以上前から二軸押出機が使われている．特にスクリュ溝深さ比の大きい超深溝二軸押出機は，局部的な発熱の抑制などにより樹脂温度を下げる効果も期待できる．最近の事例では通気性フィルム，リチウムイオン電池用セパレータフィルムなどの機能性フィルム成形などにも二軸押出機が使われている．本稿では二軸押出機を使用したシート·フィルム成形の構成装置とその新技術について解説する．