ウェアラブル熱電素子を目指した有機系熱電材料

摘要

実際2007年以降，導電性高分子やカーボンナノチューブなどの熱電研究に関する報告が増えており，世間の注目を集めている．これらの材料は従来までの‘固い’無機熱電材料では実現が難しかった柔らかい素材上に容易に印刷法などで，低温で素子化できるところに特長がある．また導電性高分子は素材自体が非常に高い柔軟性を持っていることもウェアラブル素子への適用が考えられる大きな理由である．今回の解説ではウェアラブル素子だけでなく工場などの廃熱回収も志向した，我々の導電性高分子に関する熱電材料とモジュール試作やカーボンナノチューブ系材料も含めて解説する．