固体基本特性－アイソタクチックポリプロピレンのメゾ相その2

摘要

基礎研究の道具立てがようやく整い，iPPに限らず基礎と応用の両面から高分子の様々な分野でこれらを傍らた成果が出てくることが期待される．どちらかと言うと，こちらが牽引力の源と言うべきかもしれないが，工業界においてiPPメゾ相をプリカーサーとする材料開発が盛hに行われていることも大きな要因である．ただし，こちらの方は大半の成果が特許として出願され，学術雑誌として公表されることは氷山の一角であろう．前報でも少しふれたが，iPPを主成分としたコポリマーによるメゾ相の研究にも進展があった．以下に，筆者らの研究成果や私見を交えながら研究の動向を述べてみたい．なお，前報にてiPPメゾ相に関する概要と昨年までの研究動向は述べたので，本報は年代的にもトピックス的にもかなり狭い範囲のレビューとなる．