発泡体の気泡密度に及ぼす減圧過程における減圧時間と含浸温度の影響

摘要

本研究では，減圧過程と発泡過程が独立になっている2ポット発泡法のバッチ式発泡プロセスの減圧過程に注目し，発泡体の気泡密度に及ぼす減圧時間と含浸温度の影響について検討した．この方法において，発泡剤含浸過程で含浸温度が樹脂のガラス転移温度以上の場合は，減圧操作によって発泡を伴い減圧発泡となることから，ここでは減圧によって発泡を伴わない場合を取り上げた．具体的には，非品性樹脂であるポリスチレン樹脂及びポリカーボネート樹脂を用いて，減圧過程における含浸温度と減圧速度を種々に変え，その後の発泡過程における発泡温度，発泡時間並びに冷却時間は一定として発泡を行なった．そして，発泡体断面の走査型電子顕微鏡写真より気泡径並びに気泡密度を求め，発泡体内部構造に及ぼす減圧時間（減圧速度の逆数）と含浸温度の影響を調査した．