製品機能をアップさせる二次加工技術－接合·融着·多層化技術を中心に：高分子材料の接合·融着について－分子動力学法を用いた高分子材料の接着·融着への適用

摘要

我々は，高分子膜が関係する接着·粘着の研究を行なっており，その1つのターゲットとして，グラフト膜が挙げられる．グラフト膜は，固体基板に対する表面修飾や，表面特性を変えるための手段として，しばしば用いられている．グラフト膜は，グラフト密度，グラフト鎖の長さ等，比較的少ないパラメータによって定義できるにも関わらず，物性を幅広くコントロールできる．近年では高密度でグラフ下された膜まで合成できるようになり，着目されている材料である．我々は，粗視化分子動力学(MD)法を用いて，この膜に関する接着·粘着のシミュレーションを行なっており，ここにその結果をレビューする．具体的には，膜のガラス転移温度の測定の概要を述べ，接着·粘着性能との関わりについて，ここに報告する．