ダイジョ（Dioscorea aZata L.)の揷穂の採取時期とジベレリン およびゥニコナゾ一ルP処理が挿木苗の生育に及ぼす影響

摘要

ダイジョ(DioscoreaalataL)の種苗を挿木によって安定的に生産する技術開発を目的に，挿穂の採取時期，ジべレ リンおよびジべレリン生合成阻害剤のゥニコナゾ—ルPが揷木苗の発根，シュ—トおよびミニ塊茎の形成に及ぼす影響につい て検討した.挿木後にそれらの植物成長調節物質を葉面に散布し，21日後に調査を行った.ジベレリン処理は，挿穂の採取 時期や処理濃度に関わらず挿木苗のシュ—ト形成を抑制した.一方，ゥニコナゾ—ルP処理では挿穂の採取時期によってシュ— トとミニ塊茎の形成率が異なった.特に，挿木苗にシュートが形成されない130日目挿しにおいて，ゥニコナゾ一ルPを処理 するとシュ一トが形成された.挿穂の内生ジべレリンの生合成がゥニコナゾ一ルPによって阻害され，挿木苗の生育に影響を 及ぼしたものと考えられた.以上のことからダイジョでは，塊茎の肥大成長への転換期直前に揷穂を採取し，挿穂にゥニコナ ゾ―ルP処理を行うことによって，挿木苗のシュ—ト形成率を向上でき，効率的な増殖が可能になるものと考えられた.