[漁業 - 漁村の現場から](87)佐賀県高等水産講習所におけるノリ養殖漁家の再生産

摘要

漁業者の減少がとまらない。1960年代には70万人を数えた「漁業就業者」も、2008 年には22.2万人にまで減少した。新規参入の停滞が大きな要因であり、2008年現在、24 歳以下の若年層は全体の3.0%にすぎない。こうしたなか、水産科を設置する高等学校（い わゆる水産高校）や漁業研修所といった水産教育機関は、漁業に人材を送りだすことを意 識せざるを得なくなつている。水産高校43校には、2013年度現在、9,423名（海洋漁業 関係には4,050名、栽培漁業関係には1,045名など）の生徒が在籍しており、未来の漁業 を支える人材が養成されている。