変調方式検出に基づく送信電力制御により許容送信電力を拡大するコグニティブ無線の基礎検討

摘要

本稿では，変調方式識別技術を利用した，プライマリシステム(PS)に対する与干渉を一定に保つ送信電力制御法を提案する．PSの適応変復調の適用を前提とし，セカンダリシステム(SS)がPSの選択した変調方式を検出することで，PSの送受信機間の距離をエリア別に推定し，PSの受信機に与える与干渉電力を予測する．そして，与干渉電力量を許容値以下とするSSの送信電力を制御する．エリア推定誤りによる与干渉の発生に対して，送信電力を下げること，さらに推定精度の劣化を許容できるように余裕を与える設計を行った．計算機シミュレーションによる評価の結果，提案システムでは，PSに対して雑音電力レベルを上回る与干渉の発生確率を10％以下に抑えつつ，SSの送信電力を拡大することができた．