黒ボク土畑地におけるハクサンハタザォUmbidopsis halleri ssp. gemmifera)を用いたCd含有土壌浄化実験

摘要

本研究では，カドミウム（Cd)浄化用冬型植物としてのハクサンハタザォの黒ボタ土壌の畑地への適用性を検討する ため，Cd含有レベルの異なる2箇所の圃場において3箇年の栽培試験を行った.また,栽培試験においてハクサンハタ ザォの収穫物（地上部）の乾物重量，Cd吸収量及び土壌Cd含有量の変化について測定を行った.その結果，3作とい う期間内において収穫物の乾物重量は大きく変動しなかった.また，ハクサンハタザォの1作あたりのCd吸収量は，A 圃場（全Cd含有量：4.9mg'kg~(-1)りで927-1,408 g'ha~(-1),B圃場（全Cd含有量：1.4 mg'kg~(-1)りで122-259g'ha~(-1)であった. この吸収量は，これまで国内で報告されている浄化用植物によるCd吸収能力とほぼ同等であった.このため，ハクサ ンハタザォは冬型のCd浄化用植物として有望と考えられた.