ィモゴライトに対するフミン酸の吸着特性および 吸着複合体膜に対する水の接触角

摘要

合成ィモゴライトに対するフミン酸の吸着特性および吸着複合体で成形した粘土薄膜の濡れ性を様々なpH条件にお いて評価した.pH4.5-11.0の範囲で，ィモゴライ卜に対するフミン酸の吸着量を得た.その結果，pHが高いほど最大吸 着量が低くなることが示された.この最大吸着量のpH依存性は，pH変化にともなうィモゴライトおよびフミン酸の電 荷量の変化によるものと考えられた.ィモゴライトとフミン酸の混合液を濾過膜hに展開して乾燥させることで得られ る吸着複合体膜に対する水の接触角を吸着実験と同様のpH条件で測定した.フミン酸を含まないィモゴライト薄膜の 接触角はpHによらず約28°であった.吸着複合体膜については，フミン酸吸着量が増加するほど接触角は増大したが， その増分はpHが高いほど小さかった.このことから，ィモゴライト表面にフミン酸が吸着されるときの溶液条件に起 因するフミン酸の電荷状態が吸着複合体膜の濡れ性を決定づけることが明らかとなった.