地上デジタル放送波の伝搬遅延を用いた水蒸気推定手法の研究開発－反射波を用いた実験結果

摘要

地上デジタル放送波の伝搬遅延を精密測定することで、水蒸気を面的に常時モニターするシステムの開発を目指している。ソフトウェア無線を用いて地デジ放送波の位相変動をリアルタイムで精密測定する装置を開発した。異なる2地点の局発をピコ秒オーダーで同期させることができれば、2地点間の水蒸気積算量を推定することができる。本稿では、反射波と直達波を同一地点で共通の局発を用いて受信する同期不要の手法で観測された結果について報告する。反射波と直達波の位相変動の差から、測定点と反射体の間の水蒸気遅延を精度良く計測することに成功した。