大規模電波伝搬解析に適した波動方程式に基づくFDTD（2,M）法の数値分散と並列計算特性

摘要

大規模な電波伝搬解析に適用するための数値分散誤差や計算コストの少ない解析手法として，波動方程式に基づくFDTD法であるWE-FDTD（Wave-Equation FDTD）法の空間M次精度解法（WE-FDTD（2，M））と並列計算による手法を提案する．本論文では，WE-FDTD（2，M）法の差分方程式，分散関係式，安定条件を導出する．また，導出した分散関係式から理論的な数値分散特性を明らかにする．さらに，WE-FDTD（2，M）法の並列計算について，分散メモリ型並列計算機における計算量と通信量の理論式を導出するとともに，80台のPCによるPCクラスタにおける並列計算特性を示す．これらの結果から，WE-FDTD（2，M）法の並列計算による手法は，FDTD（2，M）法と比べ同程度の精度であり計算時間と使用メモリを低減でき，大規模な電磁界解析に適していることを明らかにする．