鳥取沖におけるマァジTmchimis japonicus当歳魚の 音響調査に用いる2周波数（38kHz, 120kHz)の有効性の比較

摘要

マァジTrachurus japonicusは,主に東シナ海，日本 海南西部および関東以西の太平洋で漁獲され，日本や日 本周辺の諸外国における重要な水産資源として利用され ている。本種は，我が闰において太平洋系群と対馬暖流 系群の2系群に分けられ漁獲可能量（Total Allowable Catch ： TAC)が定められている"。TACは資源評価に 基づいて決定される生物学的許容漁獲量（Allowable Biological Catch ： ABC)を基に.社会的.経済的要因 を考慮して決定される。対馬暖流系群のマアジのABCは.年齢別の漁獲尾数を基礎データとするコホート解析(Virtual Population Analysis ： VPA)により推定され た資源量を基に決められているn。しかし，マアジのよ うに当歳魚や1歳魚が漁獲の主体となる魚種において. 漁獲統計資料に頼るVPAでは若齢魚の資源量の推定は 不確実性を伴うことが指摘されている1卜4)。近年は. この欠点を補うための手法として，中層トロール網によ る面積密度法を用いたマアジ当歳魚の現存量推定法が確 立されつつある3)。対馬暖流系群を対象とする中層トロ ール網によるマアジ当歳魚の現存量調査（新規加入量調 査）は.2003年以降，毎年5月下旬から6月中旬に.