樹木、森林の成長一変異性と類似性一

摘要

樹木が、種子から発芽し、長い年月（数十年-数百年） を経て、数センチメートルの稚樹から数十メートルを超え る大木へと成長することは読者のみなさhご存じの通りで す。しかし、ねれわれが日常的に認識できる時間の感覚と 比較すると、樹木が成長するうごきはとても遅いため、樹 木の成長を実感することはなかなか難しいと思います。成 長していることをはっきりと認識するには、時間の経過と 樹木の大きさを同時に測定して、数値の経時変化としてと らえるのが最も一般的な方法だと思います。本稿では、時間の経過と樹木のサイズを測定して、1週間 -数年の間隔で、1年間もしくは数十年間にわたって、樹木 や森林の成長過程を調た事例を紹介します。これらの事 例を通じて、地域、環境条件、樹種、人による取り扱いの 方法の違いによって、樹木、森林の成長の仕方が変異する こと、また、変異のなかに意外な類似性がみられることを 示します。うごいていないように思える樹木や森林が徐々 に大きくなつていて、長い目で見れば「うごいている」こ とを幾分かでもお伝えできれば幸いです。