コアシェル型プラズモニックナノ粒子を付加した誘電体導波路のBOR-FDTD解析

摘要

回転対称構造用有限差分時間領域（BOR-FDTD）法を用いて，誘電体導波路の出射端にコアシェル型プラズモニックナノ粒子（コアシェル）を付加した構造を解析する．はじめに，基本特性を明らかにする．コアシェルを適切に付加すると，波長640nmにおいて反射率が0.03以下に低減されることを示す．このとき放射効率は0.8程度にとどまり，金属膜による損失を比較的抑えられることを明示する．さらに，放射パターンの評価を行い，放射された界の指向性が先鋭化されることを示す．次に，構造の変化に対する特性を明らかにする．動作利得を評価し，構造の最適化を行う．結果として波長525nm以上の可視光帯において高利得化できることを示す．最後に，コアシェルを伝搬方向に周期的に配列した構造を解析する．配列したコアシェルに界が結合し，動作利得がさらに高くなることを明示する．