CBCTの画質性能および線量における関連規格の概説並びに画質性能の国際標準化の提案

摘要

CBCT (Cone Beam CT)に関する国際標準規格は，2013 年にIEC (国際電気標準会議）により，IEC 60601-2-63:2012 として，初めて制定された。我が国においては，JIS T 60601-2-63:20142として，制定される予定である。これ らのIEC规格とJISは一致した規格であるため，技術的 な内容の修正はない。2012年発行のIEC 60601-2-63は，X線の発生側の要 求である管電流，管電圧，照射時間，線量表示等の正確度 の項目が規格化されたが，画質性能は記載することができ なかった。これは，規格を作成する過程において，各メー 力が自社基準で定めている画質性能の指標および基準が統 一できず，また，本質的なCBCTの画質性能に関する学 術論文がなかったためである。従って，IEC規格上は，X 線診断装置の汎用規格であるIEC 60601-1-3:2008の画質 要求がCBCTに対しても有効となっている。その要求は， メーカが画質性能の評価指標を定義し，規定するという汎 用的な内容となっている。