インターネットにおけるトレースバック·システムのISP環境を利用した事前実験

摘要

送信元を詐称した攻撃への対応はInternet上の重要な課題である．そのために，様々なトレースバック手法が研究レベルで提案されているが，技術論以外の問題点の壁が厚く、実Internet環境上におけるトレースバックの実験例は皆無である．我々は2008年後半に実Internet環境で模擬攻撃を用いたトレースバック事前実験を実施し，実験結果を測定すると共に多数のISPへトレースバック·システムを導入する際に発生する複数の問題点の確認と対応を行った．本論文では，事前実験結果を紹介し，次年度に計画する大規模なISP環境における実証実験への要求事項を取りまとめる．