Marchiafava-Bignami病における脳梁病変と脳内微小出血の関係

摘要

Marchiafava-Bignami病は，アルコール多飲者に生じ，脳梁の脱髄?壊死病変を特徴とする 稀な疾患である.1898年にィタリアのCarducciによって最初に剖検例が報告され，その後， 1903年にィタリアのMarchiafavaとBignamiによりCarducciの1例を含む3例の剖検所見が報 告された.CTやMRIなどの神経画像技術が向上すると，脳梁病変を剖検ではなく神経画像に より評価できるようになった11.その結果，論文報告数が飛躍的に上昇し，脳梁病変に加えて 脳室周囲白質に病変が及ぶ症例や，脳梁の出血性病変を呈する症例も報告されるようになつ た. Heinrichらは1985年から2003年までに論文報告されたMarchiafava-Bignami病の48症 例について，MRI所見と臨床経過の関係を検討した.その結果，平均年齢は46.3+-9.2歳，性 別は男：女=4 ：1で男性に多く，致死率は8%であることが分かった.