光回路実装技術の展望―光インタコネクション技術

摘要

近年，情報通信および処理容量の増大に対し，装置内の高速，大容量伝送に向け光インタコネクションの研究開発が活発化している。 光インタコネクションは，装置間，ボード間，チップ間に分類され，?この中で装置間ではアレイ光インタフェースを用いたデータ伝送が実用化されている。 研究開発では，将来のボード間，チップ間を，どのように光でデータ伝送を行うかが主要な研究開発テーマとなっている。 高性能コンピュータ，ハイエンドサーバやルータ等への適用から始まり，将来的にはパソコンや情報家電への応用も期待されている。実際の適用には，実用的な光回路実装技術の開発が鍵を握っている。 光インタコネクションは，従来，サイズ，コスト，消費電力，光配線の特殊性が壁となり，なかなか広範に用いられるまでには至ってなかった。 しかし，近年の，諸機関の活発な研究開発の結果，さまざまな要素技術が確立されつつあり，実際の装置に適用して有効性実証の第一歩を踏み出す時期に釆たと思える。 光回路実装技術委員会では，2002年より，光回路実装ロードマップWGを設定し，2003年9月に光回路実装ロードマップとして展望をまとめた。 光インタコネクション実現には，共通の目標に向け，さまざまな領域の要素技術の最適化を因っていく必要がある。 光回路実装ロードマップWGでの各技術の有識者の議論を通し，光回路実装技術のアプローチのあり方，性能目標の指針は得られてきたと思える。 まだ，簡単な道標程度であるが，将来の大きな地図作成の第一歩として，今回，2004の年頭にあたり，現状の技術と将来への展望を述べる。