反復社会挫折ストレスにおけるプロスタグランジンE2にょる前頭前皮質ドパミン系制御の役割

摘要

ストレスとは，体内外の環境の変化から生ずる恒常性ヘ の負荷である~(1)).社会での挫折や孤独といった心理的刺激 も，身体ヘの損傷や感染といった物理的刺激もストレスの 誘因となり，定型的な身体?精神応答を惹起する.一般 に，短期的なストレスは適応的な反応を惹起し，交感神経系や内分泌系の活性化にょり，「逃走」や「闘争」といっ た防御反応を促す.しかし，過度のストレスやストレスの 遷延化は心身を疲弊させ，注意?思考力の減退，抑うっや 不安亢進といった認知情動異常を来す.このストレスの負 の側面は，遺伝的素因とも相互作用して，うっ病や統合失調症など精神疾患の病態に関わると考えられている.しか し，ストレスにょる認知情動異常のメ力ニズムには不明な 点が多い.