表面と自己集積が拓く超高活性触媒メタンの触媒燃焼に驚異的な活性を示す担持Pd触媒

摘要

天然ガスは重要なエネルギー源であるが，その主成分であるメタン'には二酸化炭素の約20倍の温室効果（地球温暖化係数）があり，地球温暖化に対する寄与はきわめて大きい．そのため，たとえば火力発電所からの排ガス中に含まれるメタンを，NO_x,などの有害物質を発生させることなく，効率的に除去する方法が求められている．その方法のーつとして，化学的に安定なメタンを比較的低温で完全酸化できる固体触媒を用いたメタンの触媒燃焼(CH_4 + 20_2 → C0_2 + 2H_2O)が注目されている．これまで，Al_2O_3やZr0_2担体上に10 wt%以下の微量のPdを担持させた触媒（Pd/Al_20_3またはPd/ZrQ_2）の有効性が報告されているが，メタンの完全酸化には500°C以上の高温が必要であり~(1))，より低温で完全酸化できる触媒の開発が望まれている.しかし最近，400°C以下での完全酸化が実現できるという驚異的な活性をもつPd@Ce0_2/Al_20_3触媒の開発が報告された．