飼育イルカの繁殖生理に関する基礎と応用研究

摘要

今から25年前，シヤチをはじめとするさまざまな脇顆の飼育で有名な千葉県の水族館鴨川シーワールドにバンドウイルカの性ホルモンを測定したいといって，ひとりの学生が血液試料の提供を依略した。 当時．ごくわずかな血液があれば，その1mL中ニュ100万分の1～10憶分の1g程度しか含まれていないルモンの濃度をいろいろな動物で測定することができるようになりつつあった。 私がその頃所属していた大学の研究箋では，ニジマス，キンギョ．タナゴ，シロギスなど，魚類の成熟·席卵に関わるさまざまなホルモンを測党していたが，イルカを対象にして何か研究ができないかと考えていた私は，研究室の先輩たちが行っている手法をイルカの血液に応用できないかと考え牒頭のような水族館への依媚をさせていただいたのである。 そして，そこから今日にいたる水族館との共同研究が始まった。