魚影逍遥魚に発信機をつけて

摘要

北欧ノルウェー王国に研究留学をしていたある年の初夏，北極圏でおこなわれるフィールドワークに参加した（本誌178～180号参照）。産まれた河にもどってくるタイセイヨウサケの行動，とくに大洋を大旅行して沿岸域に戻ってきたサケが最後にどのように河を見つけ遡上するのかを調べようというのだ。調査研究の舞台はアルタフィヨルド（Altafjord）だ。ヒトが生きていくためにはどうしても自然に負荷がかかるが，北極圏に位置するこのアルタフィヨルドとこのフィヨルドに流れこむアルタ河は，その影響が少ない。そのためサケの本来の姿を描きだせる水域として研究の舞台に選hだのだ。